肝臓にはウコンがいい?

ウコンは飲酒の機会が多い人にはよく知られている存在ではないでしょうか。なぜウコンが飲酒によいのでしょうか。

ご存知のように飲酒によって摂取したアルコールは肝臓によって無害な物質に分解されます。ウコンは肝臓の機能を増強してアルコールの分解を促進する働きがあるからなのです。

ウコンはショウガ科の植物で世界では50種類以上のウコンが存在しているといわれています。その中でも通常「ウコン」と呼んでいるものは「秋ウコン」「春ウコン」「紫ウコン」の3種類となります。特に肝臓の機能を強化する目的には秋ウコンが使用されます。

ウコンの成分に含まれるクルクミンが肝臓の機能を強化するといわれています。ウコンはターメリックとも呼ばれスパイスとしても使われています。

カレーや漬物のたくあんなどの黄色の色素はクルクミンによるものです。(最近のたくあんの多くには別の色素が使われています)クルクミンは肝臓の機能を強化するだけでなく天然の食用色素としても広く使われているのです。

秋ウコンは他のウコンに比べるとクルクミンの含有量が多いので飲酒前に飲むドリンク剤やサプリメントに多く使われています。

また、春ウコンはクルクミンの含有量は少ないのですが、薬効成分である精油やミネラルは秋ウコンよりも多く含んでいます。そのため健康増進などには春ウコンの方が有用であるともいえます。また、紫ウコンは抗潰瘍作用やピロリ菌の増殖を抑える働きがあるので胃腸によいとされています。

肝臓にウコンがいいと聞けば「肝臓の機能強化=ウコン」と思い浮かべてしまうかもしれませんが、気をつけなければいけないのが「過剰摂取」です。どんな薬やサプリメントでも過剰摂取は避けなければなりませんが、ウコンの場合にはC型肝炎や非アルコール性脂肪性肝炎などの肝臓の病気を抱えている人は特に気をつけなければなりません。

ウコンには病気を治す効果はありません。むしろウコンの摂取によって病状が悪化することがあるのでウコンの摂取は慎重に行ってください。

高尿酸血症は心疾患にも関係する?

心疾患に関係する病気と言えば、高血圧や糖尿病などありますが、痛風で知られる高尿酸血症も関係しているのかもしれません。

尿酸値が高い人は中性脂肪値も高く、善玉コレステロールであるHDLコレステロールが低い人が多いのです。

尿酸値と中性脂肪値が高く、HDLコレステロールが低い状態は心疾患の危険因子となります。また、内臓脂肪を貯めやすく脂肪肝の原因にもなります。

尿酸値が高いから中性脂肪値が高いのではなく、むしろ中性脂肪値が高いので尿酸値が高くなるケースが多いです。しかし、ややこしいのですが中性脂肪値が高いから尿酸値も高くなるわけではないようです。

尿酸値は薬で下げることができますが、尿酸値だけ下げても根本的な治療になりません。

中性脂肪は内臓脂肪に蓄えられます。中性脂肪と内臓脂肪を減らせば尿酸も減らすことができるのです。

中性脂肪を減らすのは有酸素運動が効果的です。激しい運動は尿酸を増やすので、歩くなどの軽い有酸素運動を長時間するようにしましょう。

中性脂肪値が高くなる食事は動物性の脂肪やアルコールの過剰摂取などです。アルコールは尿酸を増やすばかりでなく、尿酸の排泄を阻害します。

ですから、動物性脂肪やアルコールを減らすように心がけ、甘い物を控えて食物繊維を多く摂るようにしましょう。

血液中の尿酸の濃度を下げ、排泄を促すためには水分を十分に摂ることも必要です。

尿酸値は中性脂肪値、HDLコレステロール値とも関係して、悪い状態が続くと動脈硬化を引き起こし、心疾患や脳梗塞などを引き起こす可能性を高めてしまいます。

非アルコール性脂肪肝(NAFLD)とは?

日本人や東アジア人は長い飢餓の歴史を経験したことがあるのか、遺伝子の中に「倹約遺伝子」とも言われる遺伝子を持っています。倹約遺伝子は限られたエネルギーを無駄にしないように使い、余ったエネルギーを脂肪として脂肪細胞や肝臓に蓄積しやすい体質を作っています。

摂取したエネルギーは血液中で糖質に変えられ、余分な糖質は肝臓で中性脂肪に作りかえられて、皮下脂肪や内臓脂肪、肝臓に蓄えられます。肝臓に過剰に蓄えられると脂肪肝になります。

脂肪肝というとアルコールの過剰摂取によって発症すると考えがちですが、近頃問題となって来ているのが「非アルコール性脂肪肝」という病気です。非アルコール性脂肪肝はNAFLDとも呼ばれ、飲酒習慣がないにもかかわらずアルコール性脂肪肝と同じような症状を発症します。

病気の進行もアルコール性脂肪肝と同じように、治療せずに放置すると肝炎、肝硬変、肝がんへと進行します。アルコール性脂肪肝はアルコールの過剰摂取の習慣が原因となっています。非アルコール性脂肪肝の場合はエネルギーの過剰摂取が原因なので、食事の習慣の見直しから改善することができます。「腹八分目」を守って栄養バランスのよい食事と適度な有酸素運動が有効です。

アルコール性脂肪肝も非アルコール性脂肪肝も肝炎に進行する以前ならば、生活習慣の改善で治すことができます。
しかし、肝臓の病気は自覚症状がほとんど現れないので、症状が現れるようになった時には肝炎や、肝硬変に進行していることもあります。

血液検査の習慣などがない場合には発見しにくい病気なので、少なくとも年に1回の健康診断や血液検査で健康チェックは欠かさないことが大切です。

脂肪肝は生活習慣の改善で治せます

脂肪肝とは、肝臓の肝細胞に中性脂肪がたまる病気で、肝臓は通常3~5%の中性脂肪を含んでいますが5%を越えると脂肪肝と診断されます。

日本でも近年脂肪肝の患者が増え社会問題にもなってます。健康診断でも肝機能障害の異常所見が最も多く、その大部分が脂肪肝です。

生活習慣の欧米化によって肥満の増加と共に脂肪肝の発症が増える傾向にあります。肥満の評価に用いられるBMIが25以下は脂肪肝が少なく、25以上になると約30%、30以上になると約80%が脂肪肝になっています。

男性に比べて若い女性の脂肪肝は少ないのですが閉経後の女性の脂肪肝は年齢と共に多くなります。女性は閉経前は中性脂肪が皮下脂肪になりやすく、閉経後は内臓脂肪がつきやすくなるためです。

脂肪肝にはアルコール性脂肪肝と非アルコール性脂肪肝があります。

アルコール性脂肪肝はアルコールの過剰摂取が原因で肝臓が処理しきれないアルコールを中性脂肪にして肝臓に蓄えてしますためです。

B型・C型肝炎ウイルス、自己免疫せい肝疾患に関連せず、アルコール性脂肪肝でない場合は非アルコール性脂肪肝と考えられ、過食などによる脂肪肝と診断されます。アルコール性脂肪肝同様に摂り過ぎた栄養が中性脂肪になり肝臓に蓄えられて脂肪肝になります。

自覚症状はほとんどないため、人間ドックや健康診断の血液検査の結果などで肝機能の障害を指摘され、その後の検査で発見されることが多くあります。

脂肪肝は放置すれば、肝炎、肝硬変、肝がんへと進行する病気なのです。肝硬変まで進行するともとの健康な肝臓には戻せません。
早期の脂肪肝はアルコール性の場合は節酒または禁酒をすればすぐに改善できます。非アルコール性の場合は食生活の改善で健康な肝臓に戻すことができます。

脂肪肝は肥満とも関係しているので、肥満を解消するような生活習慣の改善も必要です。特に飲酒、食生活の改善だけでなく運動習慣も取り入れて、生活習慣全般を改善するようにしましょう。

国民病とも言われる脂肪肝

健康診断の血液検査の指標でもおなじみのAST、ALT、γ-GTPは肝臓の働きを調べる一般的な検査です。AST、ALTは以前はそれぞれGOT、GPTと呼ばれていたので、こちらの呼び方でなじんでいる人も多いかもしれません。

肝臓は「沈黙の臓器」とも言われるように、病気になってもこれと言った自覚症状がありません。はっきりとした体調の悪化が見られた頃には手遅れの場合もあります。

肝炎の前段階でもある脂肪肝は、今や国民の3分の1が潜在的にかかっているといわれ、成人男性の10%、女性でも3%の人が脂肪肝と診断され、さらに増加傾向にあります。

脂肪肝は生活習慣病のひとつでもあり、肝臓に脂肪がたまって、そのまま放置していると次第に肝臓の機能が損なわれて肝炎、肝硬変、から肝臓がんへと進行します。

脂肪肝ははっきりとした自覚症状がないことから、健康診断の血液検査で発見されるケースが多くあります。

定期的な血液検査で常にAST、ALT,γ-GTPの数値をチェックしておきたいです。特にALTの数値が基準値を越えるようなら警戒しましょう。γ-GTPの数値が高いとアルコール性の脂肪肝が考えられます。アルコール性の脂肪肝は、禁酒すればすぐに改善されます。

また、ALTの数値が正常でも安心できません。脂肪肝と診断された人でもALTの数値が異常だった人は3割強しかいなかったとの報告もあります。

生活習慣病は肥満や血液中の中性脂肪が深く関わっていますが、体型が太っていなくても生活習慣病にかかるケースも多くあります。脂肪肝も太っていない人でもかなりの割合で脂肪肝と診断されています。

さらに、肝臓を悪くするのはアルコールだけではありません。現代の食習慣や運動不足が肝臓にも悪影響を与えています。

中性脂肪とメタボリックシンドローム

中性脂肪の多い人はメタボになりやすいと考えられています。血液中の中性脂肪はメタボの原因でもある内臓脂肪を溜めやすく、善玉コレステロールを減少させ、悪玉コレステロールを増やしてしまいます。さらに内臓脂肪は糖尿病にも関与していると言われているので、メタボの条件である、肥満、糖尿病、高脂血症、高血圧などの項目に当てはまってしまいます。

中性脂肪を減らすには、食生活の改善と運動の習慣が有効です。食生活では規則正しく栄養バランスを考えた食事と食べ過ぎないことです。過剰なカロリーが中性脂肪になるのでカロリーの摂りすぎが中性脂肪を増やします。

中性脂肪は活動するためのエネルギーなので、運動をすることで減らすことができます。中性脂肪を減らすにはきつい運動ではなく、長く続けられる有酸素運動が効果があります。有酸素運動は身体に蓄積された脂肪を燃焼させるのに有効ですが、20分以上続けなければ蓄積された脂肪は燃焼しないと言われていました。

血液中の中性脂肪が20分で消費されてその後、身体に蓄積された脂肪が消費されると思われていましたが、そんなことはありません、有酸素運動は長時間続ければ中性脂肪も身体に蓄積された脂肪も減らすことができます。20分にこだわる必要はありませんが、なるべく長く運動することが大切です。

有酸素運動で消費される脂肪は身体に蓄積された内臓脂肪から消費されるので、メタボ対策には効果があります。メタボにかかわる内臓脂肪は皮下脂肪と比べると蓄積されやすく、消費されやすいのです。ただ、若い女性は皮下脂肪がつきやすく、消費されにくいので注意が必要です。

糖尿病治療の基本となる「ABC」

糖尿病患者の増加が社会問題ともなっているアメリカでは糖尿病治療の基本として「ABC」を推奨しています。糖尿病のABCとは、AはヘモグロビンA1c、BはBlood pressure(血圧)、CはCholesterol(コレステロール)のことです。

これら3項目の目標を達成することによって、糖尿病の合併症である心臓病、脳卒中、腎症、網膜症、足病変などのリスクを低減させることができるのです。

ヘモグロビンA1cは過去1~2か月間の血糖値を示し、糖尿病における最も重要な血糖値のコントロールがうまく行われているかを知ることができます。

高血圧は心臓病や脳卒中などの原因にもなる病気ですが、糖尿病の人には高血圧を併発している場合が多く、両方を併発すると心臓病、脳卒中、腎症などの進行が早まるので血圧管理も重要な要因となります。

コレステロールは悪玉であるLDLコレステロールは動脈硬化を促進し、善玉であるHDLコレステロールは動脈硬化を抑制しますが、糖尿病は全身の血管にダメージを与えるので動脈硬化を進めてしまいます。糖尿病患者ではコレステロールのコントロールも治療のひとつとなります。

アメリカでは1988~1994年と2007~2010年の糖尿病患者のデータを比較したところ、血糖コントロールの目標を達成した割合が43%から53%増加しました。血圧は51%、コレステロールは56%のひとが目標を達成していましたが、3つの目標を達成した人は19%と低い数字の結果が出ました。

糖尿病治療のABCの達成率の上昇は、医療技術と医薬品の進歩に負うところが多いのかもしれませんが、長く健康な生活を送るためにも、合併症のリスクを減少させる糖尿病治療のABCは達成できるようにしましょう。

健康診断での血液検査

血液検査は、生活習慣病の早期発見ばかりでなく、症状の原因を突き止めるための診断の手がかりや、治療の効果の確認など、医療の様々な場面に登場します。

一度の採血で様々な情報が得られるばかりでなく、患者さんへの体力的負担が少ないという利点があります。一般の病院でも、

一度の血液検査で2000項目以上の検査が可能ですが、通常はそれほど行わず、定期健康診断などでは、生活習慣病などを焦点として、検査項目を絞っています。

2008年から開始された特定健康診断制度により、40~74歳の国民全員に健康診断が義務づけられました。この年代の人は、企業に勤めている人も、主婦も、自営業の人も全て年に1度は血液検査を受けていることになります。

健康診断は、自覚症状のない人に異常な個所がないか見当をつけるスクリーニング検査が目的ですが、その中心となるのが血液検査です。検査結果の数値が本人に届けられることで、健康への意識が高まり、体調を管理しようという自覚が生まれます。

任意に受けられるものとして、医療機関が独自に実施している人間ドックがありますが、ここでは、基本的な検診項目に、独自に詳しい検査を追加して行います。血液検査の検査項目も、必要に合わせて追加されることになります

最近、手軽に行える健康管理の手段として血液検査が一層注目されており、「ワンコイン血液検査」や、「郵送による血液検査」といった形式も生まれています。血液検査を上手に利用して、健康維持に役立てたいものです。

メタボは生活習慣病のリスクを高める

メタボの名で知られるメタボリックシンドロームは生活習慣病の発症に大きく関与しています。健康診断や血液検査で容易に発見できると言うより、健康診断や血液検査で発見されるケースが多い病気です。

メタボは自覚症状がほとんどなく、自覚症状が現れた時には病状がかなり進行していることもあります。

日本肥満学会のメタボの診断基準は、腹囲が男性は85cm以上、女性は90cm以上で、さらに

血圧が 130/85mmHg以上
中性脂肪 150mg/dl以上か HDLコレステロール 40mg/dl未満
血糖が 110mg/dl

これらの3項目の内の2項目以上が該当すればメタボリックシンドロームと診断されます。

腹囲は内臓脂肪型肥満を表し、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、高血糖などのふたつ以上が該当するればメタボとなります。

メタボは糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病の前段階とも言え、生活習慣病は動脈硬化を招き、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを高めます。日本人の3大死因はがん、心筋梗塞、脳卒中で生活習慣病がこれらの下地となっているケースが多くあります。

メタボは生活習慣の改善で治すことが出来ますが、糖尿病を始めとする生活習慣病のほとんどは治ることがない病気です。服薬で症状を改善することは出来ても、病気自体を治す薬はありません。

メタボは突然になる病気ではなく、長く続けられた生活習慣によって引き起こされます。定期的な健康診断や血液検査あるいは人間ドックなどは早期にその兆候を見つけ出すことが出来ます。

メタボの内に生活習慣を改善できれば、がん、心筋梗塞、脳卒中のリスクを減らすことが出来、その後の生活を快適に送ることが出来ます。

血液検査でメタボリックシンドロームが見つかる

メタボリックシンドロームの診断基準の項目には、血液検査でしか発見出来ない糖代謝異常、脂質代謝異常があります。腹囲、高血圧なども診断基準ですがこの項目は血液検査の必要はなく簡単に知ることができますが、糖代謝異常、脂質代謝異常は血液検査をしなければ早期発見は難しいのです。

糖代謝異常は糖尿病につながり、初期の段階では自覚症状はありません。あっても気がつかないことが多く、血液検査ではじめて知る人が多いのです。自覚症状が現れたときには病気がかなり進行しているケースが多く、糖尿病の合併症を発症していることもあります。

糖尿病になると血液が毛細血管を通りにくくなるので末梢に酸素や栄養素が届きにくくなり、神経障害や腎臓、網膜に合併症を発症しやすくなります。神経障害によって足などに壊疽を起こして切断するケースや腎症を発症して透析が必要になったり、失明することもあります。糖尿病の早期発見には定期的な血液検査が必要なのです。

最近では中性脂肪を減らす健康食品や飲料が多く販売されています。血液検査で中性脂肪値が高いと指摘される人も多いと思います。過剰な中性脂肪は善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールを増やす働きがあり、脂質代謝異常に関係しています。

メタボリックシンドロームの診断基準の腹囲は内臓脂肪の蓄積を表し、過剰な中性脂肪から変換されて蓄積されたものなのです。血液検査の中性脂肪値を減らすようにすれば内臓脂肪を減らしてメタボリックシンドロームのリスクを減らすことができます。

中性脂肪は過剰に摂取したエネルギーから作られます。食事は控えめに、栄養バランスを考えてとり、運動習慣でエネルギーを使うようにすれば脂質代謝異常だけでなく糖尿病も改善、予防することができます。年に一回でも、定期的に血液検査をして早期発見、予防することが大切です。