「認知症が治る」って本当?

近年、「認知症が治る」と注目されている成分があります。プラズマローゲンというリン脂質の一種で抗酸化作用があるとされています。特に脳神経細胞、心筋、リンパ球、マクロファージに多く含まれ細胞を酸化ストレスから守っていると言われていますが、プラズマローゲンには抗酸化作用のほかにも注目される働きがあるとされています。

アルツハイマー病は脳の一部の海馬にβアミロイドというたんぱく質が蓄積して、海馬が委縮して起こるといわれています。そしてアルツハイマー病の患者において脳の前頭葉と海馬でプラズマローゲンが非常に減少していることがわかりました。

プラズマローゲンの減少によって認知症になるのかどうかはかはさておいて、臨床試験においてはプラズマローゲンを摂取することによって認知症が改善されたことが報告されています。

プラズマローゲンがβアミロイドの蓄積や脳内の神経炎症を防ぎ、減少する神経細胞の新生を促していると考えられると報告されています。さらには認知症だけでなく多くの脳障害の改善にプラズマローゲンが有効である可能性が指摘されています。

臨床試験では認知症がかなり改善された報告がありますが「認知症が治る」と言えるのはまだ先のことのようですが、認知症は本人よりも周りの人の苦労は大変なものがあります。認知症が少しでも改善されることは周りの人の負担を減らし、本人の社会性の復帰を助けることになります。

中性脂肪とメタボリックシンドローム

中性脂肪の多い人はメタボになりやすいと考えられています。血液中の中性脂肪はメタボの原因でもある内臓脂肪を溜めやすく、善玉コレステロールを減少させ、悪玉コレステロールを増やしてしまいます。さらに内臓脂肪は糖尿病にも関与していると言われているので、メタボの条件である、肥満、糖尿病、高脂血症、高血圧などの項目に当てはまってしまいます。

中性脂肪を減らすには、食生活の改善と運動の習慣が有効です。食生活では規則正しく栄養バランスを考えた食事と食べ過ぎないことです。過剰なカロリーが中性脂肪になるのでカロリーの摂りすぎが中性脂肪を増やします。

中性脂肪は活動するためのエネルギーなので、運動をすることで減らすことができます。中性脂肪を減らすにはきつい運動ではなく、長く続けられる有酸素運動が効果があります。有酸素運動は身体に蓄積された脂肪を燃焼させるのに有効ですが、20分以上続けなければ蓄積された脂肪は燃焼しないと言われていました。

血液中の中性脂肪が20分で消費されてその後、身体に蓄積された脂肪が消費されると思われていましたが、そんなことはありません、有酸素運動は長時間続ければ中性脂肪も身体に蓄積された脂肪も減らすことができます。20分にこだわる必要はありませんが、なるべく長く運動することが大切です。

有酸素運動で消費される脂肪は身体に蓄積された内臓脂肪から消費されるので、メタボ対策には効果があります。メタボにかかわる内臓脂肪は皮下脂肪と比べると蓄積されやすく、消費されやすいのです。ただ、若い女性は皮下脂肪がつきやすく、消費されにくいので注意が必要です。

糖尿病治療の基本となる「ABC」

糖尿病患者の増加が社会問題ともなっているアメリカでは糖尿病治療の基本として「ABC」を推奨しています。糖尿病のABCとは、AはヘモグロビンA1c、BはBlood pressure(血圧)、CはCholesterol(コレステロール)のことです。

これら3項目の目標を達成することによって、糖尿病の合併症である心臓病、脳卒中、腎症、網膜症、足病変などのリスクを低減させることができるのです。

ヘモグロビンA1cは過去1~2か月間の血糖値を示し、糖尿病における最も重要な血糖値のコントロールがうまく行われているかを知ることができます。

高血圧は心臓病や脳卒中などの原因にもなる病気ですが、糖尿病の人には高血圧を併発している場合が多く、両方を併発すると心臓病、脳卒中、腎症などの進行が早まるので血圧管理も重要な要因となります。

コレステロールは悪玉であるLDLコレステロールは動脈硬化を促進し、善玉であるHDLコレステロールは動脈硬化を抑制しますが、糖尿病は全身の血管にダメージを与えるので動脈硬化を進めてしまいます。糖尿病患者ではコレステロールのコントロールも治療のひとつとなります。

アメリカでは1988~1994年と2007~2010年の糖尿病患者のデータを比較したところ、血糖コントロールの目標を達成した割合が43%から53%増加しました。血圧は51%、コレステロールは56%のひとが目標を達成していましたが、3つの目標を達成した人は19%と低い数字の結果が出ました。

糖尿病治療のABCの達成率の上昇は、医療技術と医薬品の進歩に負うところが多いのかもしれませんが、長く健康な生活を送るためにも、合併症のリスクを減少させる糖尿病治療のABCは達成できるようにしましょう。

健康診断での血液検査

血液検査は、生活習慣病の早期発見ばかりでなく、症状の原因を突き止めるための診断の手がかりや、治療の効果の確認など、医療の様々な場面に登場します。

一度の採血で様々な情報が得られるばかりでなく、患者さんへの体力的負担が少ないという利点があります。一般の病院でも、

一度の血液検査で2000項目以上の検査が可能ですが、通常はそれほど行わず、定期健康診断などでは、生活習慣病などを焦点として、検査項目を絞っています。

2008年から開始された特定健康診断制度により、40~74歳の国民全員に健康診断が義務づけられました。この年代の人は、企業に勤めている人も、主婦も、自営業の人も全て年に1度は血液検査を受けていることになります。

健康診断は、自覚症状のない人に異常な個所がないか見当をつけるスクリーニング検査が目的ですが、その中心となるのが血液検査です。検査結果の数値が本人に届けられることで、健康への意識が高まり、体調を管理しようという自覚が生まれます。

任意に受けられるものとして、医療機関が独自に実施している人間ドックがありますが、ここでは、基本的な検診項目に、独自に詳しい検査を追加して行います。血液検査の検査項目も、必要に合わせて追加されることになります

最近、手軽に行える健康管理の手段として血液検査が一層注目されており、「ワンコイン血液検査」や、「郵送による血液検査」といった形式も生まれています。血液検査を上手に利用して、健康維持に役立てたいものです。

メタボは生活習慣病のリスクを高める

メタボの名で知られるメタボリックシンドロームは生活習慣病の発症に大きく関与しています。健康診断や血液検査で容易に発見できると言うより、健康診断や血液検査で発見されるケースが多い病気です。

メタボは自覚症状がほとんどなく、自覚症状が現れた時には病状がかなり進行していることもあります。

日本肥満学会のメタボの診断基準は、腹囲が男性は85cm以上、女性は90cm以上で、さらに

血圧が 130/85mmHg以上
中性脂肪 150mg/dl以上か HDLコレステロール 40mg/dl未満
血糖が 110mg/dl

これらの3項目の内の2項目以上が該当すればメタボリックシンドロームと診断されます。

腹囲は内臓脂肪型肥満を表し、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、高血糖などのふたつ以上が該当するればメタボとなります。

メタボは糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病の前段階とも言え、生活習慣病は動脈硬化を招き、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを高めます。日本人の3大死因はがん、心筋梗塞、脳卒中で生活習慣病がこれらの下地となっているケースが多くあります。

メタボは生活習慣の改善で治すことが出来ますが、糖尿病を始めとする生活習慣病のほとんどは治ることがない病気です。服薬で症状を改善することは出来ても、病気自体を治す薬はありません。

メタボは突然になる病気ではなく、長く続けられた生活習慣によって引き起こされます。定期的な健康診断や血液検査あるいは人間ドックなどは早期にその兆候を見つけ出すことが出来ます。

メタボの内に生活習慣を改善できれば、がん、心筋梗塞、脳卒中のリスクを減らすことが出来、その後の生活を快適に送ることが出来ます。